里山も雪あればこそ

 すでに何度も述べましたが、今冬の浅間山麓は雪が極端に少ない状態が続いています。雪はきをする必要がなく、ウォーキングや低山歩きが楽にできるという点では、助かっているともいえるのですが、見た目が冬らしくないだけでなく、あまりに降水量が少ないと、植物に悪影響がでるのではないかと心配になってしまいます。
 雪の少なさのおかげではあるのですが、今年になってからすでに10回、平尾山に登ることができました。そのすべてが無雪状態での登山というわけではなく、雪を踏む場面も何度かありました。雪が残っていると、そこには無数の動物の足跡があり、その主を判定したくなります。冷え込みが厳しい日であれば、山頂部が霧氷になっていないか期待してしまいますし、白銀に輝く遠くの山々の展望も楽しみです。
思いがけぬ拾いものがありました。それは天蚕、すなわち野性の蚕(ヤママユガの繭)です。養蚕農家が育てる一般的な蚕(家蚕)の繭が白いのに対して、天蚕は薄緑色をしています。天蚕の糸は丈夫な上しなやかで光沢もあり、繊維のダイヤモンドとよばれることもあるそうです。これまで、地面に落ちているものをみかけることがあっても、ひどく汚れている場合が多く、拾う気になりませんでした。しかし、雪の上では比較的きれいなものを見つけることができます。図鑑で調べてみたところ、ヤママユガの一種、ウスタビガの繭であることがわかりました。
 それにしても、野性の蛾の繭から糸がとれることに気づき、自ら蚕を育てて、大量に紡ぐ技術を発展させた人間様のすごさ。世界遺産、富岡製糸場のルーツのそのまたルーツを手のひらにのせて、たいしたものだと感じ入ったポン太でした。

 うっすらと雪化粧した平尾山の登山道です。まだ誰の足跡もありません。動物の足跡すらありません。自分が今日最初の訪問者かと思うと何だかうれしくなります。怖いクマ注意の看板がこちらをにらんでいますが、いまはまだその心配はなし。
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 北斜面には雪が残っているところが多く、滑らないように慎重に進みます。
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 見上げると、パラダスキー場の上部が霧氷になっていました。
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 日当たりのよい尾根は雪が少なく快適な山歩きが楽しめます。
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 山頂の木々も霧氷になっていました。
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 山頂からの北アルプス大展望。まるで白い屏風を立てたようです。何度見ても感動します。
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 雪の斜面の下りには神経を使います。念のためアイゼンを持参していますが、今冬は一度も出番がありません。
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 帰路の谷筋には雪が残っているところがあり、動物の足跡をたくさん確認することができました。これはキツネでしょうか。
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 これは間違いなくウサギです。ウサギは後ろ足ではねるようにして進みますから、足跡が2つそろっているのが後ろ足の分、そろっていない(1つになっている場合が多い)のが前足の分です。むこうから、こちらへむかって走ってきたものと思われます。
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 足跡が2つずつそろっていて、歩幅がかなり長い。これはカモシカあるいはシカではないでしょうか。
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 何の足跡かさっぱりわからないものもあります。人の足跡のようにも見えますが、こんなところを裸足で歩く人などいるのでしょうか。むむっ、もしや雪男。そんなバカな。
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 雪の上でひろった天蚕(の繭)です。きれいな薄緑色をしています。
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 家に持ち帰り、一般的な繭(家蚕)と並べてみました。こんなに違うのですね。
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