海野宿でお雛さま三昧

 今まで見た中で一番といってもよいほど、インパクトのある「ひな祭り」を見てきました。それは、東御市で現在開催中(3月3日~24日)の「北国街道 海野宿 ひな祭り」です。
 町おこしの一環として、雛人形を飾る催しは各地で行われており、いささか食傷気味の感がありましたが、この海野(うんの)宿の「ひな祭り」は、他所とは異なる特長があり、大変興味深いものでした。その第一はビッグスケールの宿場町というロケーションです。
 信州で宿場町といえば、木曽路の奈良井宿と妻籠宿が有名で、とくに最近は外国人に大人気の観光スポットであることは、周知のとおりです。それと比べると全国的知名度は劣るかもしれませんが、旧北国街道沿いに、およそ700mにわたって伝統的建造物が連なる海野宿のスケールは、前二者と遜色がなく、信州における見応えのある宿場町御三家の1つと言って間違いないでしょう。明治以降、宿場としての機能を失った後も、蚕種の生産や取引で栄えたことから、江戸時代の旅籠建築以外に、蚕糸業が盛んであった時代の立派な建物が残っていることも海野宿の大きな特色です。
 特別なイベントがなくても訪れる価値のある場所ですが、そこに「ひな祭り」が加わったことで、わくわく感が増幅されたように思います。雛人形が飾られていた家はなんと45軒。部屋の中に入って鑑賞するスタイルではなく、海野格子とよばれる特徴的な格子戸越しに雛飾りを眺めて歩くというのも、実に風情があります。格子の中に気をとられて、最初は気がつかなかったのですが、ふと見上げると、建物の二階の窓が開いていて、そこにもたくさんの雛人形が鎮座していました。こちらが人形を見るのではなく、人形たちに見下ろされているという感じも、今までにないもので、よいアイデアです。極めつけは、毎土曜日の夜に行われる行灯の点灯。格子から漏れる光と行灯のやわらかな明かりが見事にミックスして、昼間とは異なる幻想的な世界に様変わりするのです。
 パンフレットによれば、第5回となっていましたので、まだ若いイベントです。PR不足なのか、訪れていた人は少なく、その分ゆったり散策することができたのですが、ちょっと残念な気がしました。今後の隆盛を心より願ったポン太でした。 

 ここが海野宿の入口です。歴史を感じさせる街並みが続いていますが、普通の暮らしが営まれている場でもあります。
画像

 街道の中央には昔と同じように用水が流れています。旅人が足を洗ったり、馬に水を飲ませたりしたのでしょう。こんな時代劇のセットのような風景が残っていることに、まずもって感動してしまいます。
画像

 まだ明るい時間でしたが、地元の方々が行灯のセットを始めていました。
画像

 まずは宿場内を一巡。このように戸口に雛人形を飾っている家もありました。
画像

 海野宿の「ひな祭り」の最大の特色は、雛人形を格子越しに眺めることです。風情がありますね。
画像

 格子の中を覗くと、こんなにたくさんの雛人形が並べられていた家もあります。
画像

 見上げると二階の窓にもお雛さまが。
画像

 こちらのお宅の二階にも。
画像

 上を見ても下を見てもお雛さま。こんな展示は、今まで見たことがありません。
画像

 1階と2階の展示が対角のようになっているところが、なんともお洒落です。
画像

 雛人形を見にお邪魔したお宅の入口から外を眺めると、タイムスリップしたような気分になります。
画像

 あたりが薄暗くなってくると、格子から漏れる明かりが、独特の雰囲気を醸しだします。
画像

 行灯に灯が点りました。
画像

 すっかり暗くなると、こんな幻想的な雰囲気に。
画像

 海野宿のひな祭りのポスターです。最終日の3月24日には、流しびなやクラフトマーケットといった催しがあり、着物の貸出し着付けも行われるということなので、また違った雰囲気が味わえるかもしれません。
画像

この記事へのコメント