2000mの風~池ノ平湿原

 信州各地の山から開山祭の便りが届くようになりました。いよいよ夏山シーズンの到来です。ポン太がねぐらにしている標高900m前後の浅間山麓も、平野部からみれば高原ですし、爽やかな空気に満たされていることは間違いないのですが、2000mを越える高山の空気感はまた別物。植生も異なり、別世界といってよいでしょう。
 今季初めて、2000mの風を浴びに、池ノ平湿原と周囲の山にでかけてきました。池ノ平湿原は、浅間連峰の中では最大の湿原で、中心部の標高は1950m。周囲を取り巻く山々は、高山植物の宝庫として知られています。地形図に山名が記されているのは、三角点のある三方ヶ峰(2040.7m)だけですが、「雲上の丘」と通称される小ピークが最高地点で、その標高は2110mです。湿原との高低差は僅か160m、湿原と尾根をめぐる最長のハイキングコースをたどっても、2時間程度で一周できる「楽ちん」な山歩きです。このところあまり身体を動かしていなかったので、まずはこの程度でよかろうと、これをもって、今年のプライベート山開きといたしました。
 「楽ちん」ではあっても、そこは2000m級の山。落葉松はまだ芽吹いたばかりで、桜(ミネザクラ)も咲いていました。高山植物は、イワカガミがちらほら咲き始めたところで、ほかにはミツバオーレンとショウジョウバカマを見かけた程度。本格的なシーズンはまだ先という感じでしたが、久しぶりの2000mの風は、この上なく心地よいものでした。

 下界は夏日でしたが、湿原入口の小屋にあった温度計をみると14度。山歩きには快適な気温です。
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 芽吹いたばかりの落葉松に彩られた登山道です。
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 桜が咲いていました。桜にもいろいろ種類がありますが、これは野生種の一種で山岳地帯を好むミネザクラ(タカネザクラ)のようです。
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 新録の落葉松と桜のコラボです。6月に花見とは、さすがは標高2000mです。
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 足元にイワカガミが咲いていました。その数はまだ少なく、注意していないとなかなか見つかりません。
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 こちらはミツバオーレン。小さな花ですが、きれいな形をしています。
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 湿原にはひっきりなしにハイカーがやってきます。花はまだ何も咲いていませんが、広々として気持ちのよいところなので、がっかりする人はたぶんいないでしょう。
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 池ノ平湿原のシンボル、鏡池です。まだ初夏の感じではありません。
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 湿原から三方ヶ峰へ通じる木道です。このあたりでカモシカに出会うことが多いのですが、この日は遠足の子供たちの声が響き渡っていたので、どこかに隠れてしまったようです。
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 木道のすぐ脇に咲いていたショウジョウバカマです。ポン太がカメラを取り出そうとしていると、通りがかった遠足の小学生の一人が、「ショウジョウバカマがある」と声を上げました。花の名を知っているのです。おそるべし、野外学習効果。
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 三方ヶ峰のガレ場にはコマクサの群落があります。まだ咲いている花はなく、ごく一部の株から花芽が出ているだけでした。見頃は今月末でしょうか。
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 ハイキングコース沿いには、シャクナゲも多いのですが、まだ一輪も咲いていませんでした。
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 通るたびに、絶滅してはいないかと心配になるのがヒカリゴケ。しっかり岩の下で光っているのを確認しました。
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 最高地点の「雲上の丘」で夏山登山の安全を祈念し、ポン太とポン子の山開きとしました。後ろの黒雲が気になるところですが、祈りが通じたのか雨に降られることはなく、無事下山することができました。
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 帰路に立ち寄った湯ノ丸渓流の緑の鮮やかなこと。これぞ夏山といった感じでした。
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