モミジエレジー

 梅雨の最中に、モミジの話とは何ぞやと思われるかもしれません。実はこれにはちょっとした訳があるのです。ポン太がしばしば訪れ、my里山とよんでもよいほど気に入っている平尾山は、落葉樹が多いこともあり、秋になれば全山美しく色づきます。しかし、赤い色は少なく、「紅葉」というより「黄葉」です。そこで、赤いモミジが増えたらもっと雰囲気が良くなるのではと考えたポン太は、一昨年の春の話ですが、わが家から若木を移植することにしました。枝振りのよいものを選び、大きく育てば登山者の目を楽しませるに違いないと思われる場所まで運び上げ、植え付けました。ところが、数日後に行ってみると、根が土から浮きあがり、向きも変わっていました。どうやら誰かが持ち去ろうとしたようなのです。根が意外に大きいので途中であきらめて放置したのでしょう。やれやれと植え直し、水をたっぷり与えて下山しました。その後はすくすくと育ち、登る度にその成長を眺めるのを楽しみにしていました。
 悲劇は突然訪れました。梅雨の影響で、しばらくぶりの登山となったある日、その場所を訪れると、モミジが跡形もありません。下草刈りの作業が行われ、雑草とともに刈り払われてしまっていたのです。ポン太の植えたモミジが消えただけではありません。頂上付近の見晴らしが良くなったのはよいのですが、たくさん咲いていたアザミやアヤメ、そのほかの草花(貴重なものもあったような気がします)もほとんどが刈り払われてしまいました。
 里山の管理の難しさ、山中での作業の大変さはよくわかります。仕事ですから、決められたとおりの作業を遂行せざるを得ないということも理解できます。されど、されど・・・。権力者への官僚の忖度は論外ですが、木々や草花、平尾山を愛する者への忖度は許される、いや忖度して欲しい、と思ってしまうポン太です。
 懲りないポン太は、今年また、移植作戦を敢行しました。今度こそ大きく育ってくれることを願っています。
さて、30年後、見事に色づいたモミジをみて、「ここにこんなきれいなモミジがあるとは!」「なんて素敵な山かしら」「山の神様の化身であるタヌキが植えたに違いない」・・・いつしか人々は「ポン太のモミジ」と呼ぶようになったとさ。こんなことになるやも・・・。妄想の「日本昔ばなし」です。

 平尾山の秋はこんな感じです。これでも十分美しいのですが、赤いモミジが混じればもっとすばらしくなるのではないかと考えました。
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 刈られてしまい今は無きモミジです。一昨年植えたばかりのころの姿です。良い形をしていたのに・・・。
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 山頂付近の草が刈られた際に、一旦は姿を消したアザミですが、野性の強さでしょうか、少しずつ復活し、元の姿にもどりつつあるようです。がんばれアザミちゃん。むむっ、これでは「やすらぎの・・・」になってしまうか。
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 アヤメも同様で、少しずつ増えているようです。おなじアヤメでも山上のアヤメは気品が漂っているように感じます。
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 頂上の広場には黄色い花がたくさん咲いていました。キンポウゲ科のウマノアシガタという花ではないかと思うのですが、どうでしょうか。そうだとすれば毒草です。きれいな花には毒がある、うまい話にはウソがある、ポン太の迷言です。
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 今年植え付けたモミジです。前回の轍を踏まないように、大きくなるまで、なるべく目立たないような場所を選びました。
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 これもそうですが、わざと岩陰に植えました。
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 梅雨のこの時季に咲く樹木の花でポン太の一押しはヤマボウシです。山法師の白い頭巾がその名の由来ということですが、山中で凛として咲いているところはまさに山法師です。
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 登山道脇で山百合が育っていました。今まで平尾山で山百合は見たことがありませんので、自然に生えたものではなく、誰かが植えたものです。ここだけでなく、数カ所で見かけました。植えた方の平尾山への熱い思いを感じます。
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 平尾山を愛する人は少なくないようで、こんな手造りの標示を見つけました。
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