車窓を返せ

 なんてついてないんだ。そう思わざるを得ないことが新幹線と高速バスで立て続けに起こりました。窓側の席を確保することができず、通路側に座ることになってしまったのです。それだけならまだ我慢できるのですが、発車するなり、窓側の人が、ブラインド(バスではカーテン)を閉めてしまったのです。それも一人だけではなく、連続して数席、しかも左右ともです。この結果、通路側のポン太の席からは外の景色が完全に遮断された形になりました。どこを走っているのかすらわかりません。
 窓側の人が何をしているのかとみれば、スマホ、パソコン、あとは居眠り。乗り物に乗る最大の楽しみは、車窓から外を眺めることと思っているポン太の感覚からすれば、想像を絶する事態です。たとえ見慣れた風景であっても、季節が異なれば趣きも変わります。沿線(沿道)に何があるのか、どのような変化が起きているのか、知らないで通り過ぎることなどもったいなくてできません。子供のころから、乗り物で寝るという習慣のないポン太ですから、昼間の移動なのに、全く外を見ることができない状態におかれるというのは、拷問に等しいものなのです。
 車内でどう過ごすかは、もちろん個人の自由ですが、ポン太のように車窓風景を楽しみにしている人も少なからずいるはずです。同じ運賃を払っている以上、その楽しみを奪わないで欲しい。解決策は簡単です。ブラインドやカーテンを全て撤去すればよいのです。すでに、山手線などの通勤電車では、紫外線や赤外線の大半を吸収する金属入りの合わせガラスを採用することで、それを実現しています。長距離を走る新幹線や高速バスこそ、はやくそうして欲しい。それこそが、すべての乗客を満足させる真のサービスではないかと思うのですが、どうでしょうか。 

北陸新幹線「あさま」の車内です。「ついてない」と嘆いたポン太の気持ちを理解していただけるのではないでしょうか。左右ともこの状態でしたから、この日は、外の景色を見ることがまったくできませんでした。
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信州から東京へ移動する間の外の景色は、決してつまらないものではありません。以下は、別の日に乗車した際に撮影したもの。これは軽井沢駅付近ですが、ブラインドを閉めてさえいなければ、窓からさわやかな空気感が伝わってきます。
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軽井沢と高崎の中間に安中榛名という駅があります。駅周辺で住宅地開発が行われ、JRが大宣伝していましたが、どんなところか見たくなりますね。車窓からは住宅地は見えませんが、周辺の雰囲気はこんな感じです。
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高崎駅付近で目に飛び込んでくるのが林立する高層マンション。都市部以外の沿線には耕作放棄地が目立つところもあり、車窓からは世の中の変化を読み取ることもできるのです。
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昔と変わらぬものは高崎白衣大観音(1936年建立)。目を凝らせば新幹線からもよく見えます。
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右手に離れていく線路は富岡を経て下仁田に至る上信電鉄線。のどかな雰囲気が漂っていて、久しぶりに富岡製糸場へ行ってみようかという気になります。
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熊谷が近づくと、左手に「工場萌え」してしまいそうな立派な工場があるのが目にとまります。太平洋セメント(旧秩父セメント)熊谷工場です。その脇を秩父鉄道が走っており、原料調達と製品販売のどちらにも好都合な立地だと納得です。
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熊谷駅付近で右手に見えるのが荒川の土手(緑が帯状になっているところ)。桜の名所として有名ですが、旧中山道もそこを通っており、中山道歩きをした日のことが思いだされます。
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新幹線の脇に小さなホームがいくつも見えてくれば、間もなく大宮。これは埼玉新都市交通(ニューシャトル)の駅です。新幹線建設反対運動に対する見返り策として建設されたものなので、橋脚の大半を新幹線と共用しています。
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荒川を渡れば東京都。写真の下部に写っている道路橋は中山道の戸田橋で、かつてはこのあたりに戸田の渡し場があったそうです。そこを新幹線が走り抜けていくとは、江戸時代の旅人には思いも寄らぬことでしょう。
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北区を通過中、東京スカイツリーがどんな角度で見えるかと、左側の車窓を眺めていると、ふいにあらわれたのがこの不思議な塔。団地の給水塔にしては高すぎるし、いったい何だろうかと地図で確かめると、北清掃工場の煙突であることがわかりました。高さは120mもあるそうで、頭部のデザインも凝っています。こんな「発見」もあるので、車窓ウォッチングはやめられません。
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最近旅した釜石線の車内では、誰一人カーテンを閉める人がいませんでした。これぞ正しい車窓のあり方と言いたいところですが、たまたまかもしれません。
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やはり、カーテンやブラインドがないのが一番。これは奥羽本線の交流電車(701系)の車内です。長い距離を走るのに、ロングシートのみというのはいただけませんが、窓はこの方がよいですね。
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