目と耳で味わった三五荘(軽井沢)

 軽井沢の夏は、展覧会やコンサート、講演会といったイベントが目白押し。無料で配布される『軽井沢新聞』などの情報紙を眺めていると、食指が動くものも少なくありません。しかし、この時季の軽井沢町内の混雑は半端ではなく、アクセスの煩わしさを思うと、なかなか出かける気になれないのも事実です。
 しかし、せっかく浅間山麓に住んでいるのに、そうしたイベントを全く無視し、文化的雰囲気を味わうことなく夏が過ぎてしまうのも、ちょっと寂しい気がします。何か1つぐらいは、と思っていたところ、たまたま目にしたのが三五荘資料館(南ヶ丘美術館)のイベントチラシでした。江戸時代末期の建築という豪農の家を、山梨から移築したという三五荘(移築した1935年に因んで命名)の存在は、以前から知っていました。どんな建物なのか見学してみたいとも思っておりました。イベント参加と建物の見学を同時にできるなら、まさに一挙両得です。
 イベントのタイトルは「藍木綿の筒描き展」(8月31日まで開催)。元NHKアナウンサーで文筆家の下重暁子さんのコレクションということです。正直言って、染め物にそれほどの興味はなかったのですが、期間中の三日間、弦楽カルテットの演奏が行われると記されていたことが、ポン太の背中を押してくれました。古民家で生演奏を聴く、想像しただけでわくわくしてしまいます。
 カルテットの演奏は「G線上のアリア」や「愛の挨拶」といったクラシックの定番曲が中心でしたが、柔らかな音色が古い建物に吸い込まれていくような感じがしました。窓から入ってくる涼風とともに、期待通りの心地良さを味わうことができたと言ってよいでしょう。
 この三五荘を移築した人物は、日立造船の社長であった原田六郎氏です。その後、東急の五島慶太氏の手に渡り、同社高級幹部の保養施設として利用された由。1984年に現在の中央工学校の所有となりました。建築系専門学校の同校では、学生の教育資料として三五荘を利用しているということです。「甲府地方の民家特有の建築様式と端正で雄大な姿」というパンフレットの文言通りのすばらしい建物で、見学した甲斐がありました。
 避暑地軽井沢の歴史と文化の奥深さを味わうには、こうした施設を訪ねたり、イベントに参加したりすることが肝要だと、改めて思ったポン太です。

 森に囲まれた南ヶ丘美術館本館です。三五荘への入館手続きもここで行います。
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 三五荘の庭へ通じる橋です。期待感が高まります。
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 これが山梨から移築された豪農の家、三五荘です。その大きさには驚かされます。
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 こんな雰囲気の良いカフェも併設されていました。
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 元は土間だったという板張りのスペースで行われたカルテットの演奏風景です。
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 各部屋に展示されていた藍木綿です。
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 2、3階は元は蚕室だったということで、天井が低くなっています。
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 吹き抜けの部分がありましたが、これは中央工学校の所有になってからの改築で、小屋組の構造をみせるためだということです。
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 庭には散策路も整備されていました。かつての「名士」の別荘は、迎賓館のような役割も果たしていたのではないでしょうか。
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 上皇御夫妻も皇太子時代に訪問されたことがある由。ネパールの皇太子も訪問されたということで、晩餐会に用いられた当時のバーベキュー炉が庭に残されていました。
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