「佐久の名山」、二つの頂へ - 城山と虚空蔵山-

 一日で、「佐久の名山」二峰に登ってきました。佐久商工会議所が発行した『佐久の名山ガイド』という冊子に掲載されていた17峰の中に、これまで登ったことがなく、名前すら認識していなかった山が二つ含まれていたので、出かけてみようという気になったからです。それは、城山(じょうやま)と虚空蔵山(こくぞうさん)です。どちらも登頂が極めて容易な里山で、「山歩き」の対象としては少々物足りない感じがすることは否めません。これまで食指が動かなかったのはそういう理由からです。しかし、遠出自粛のこの機会にこそ登っておくべきではないかと考えました。二山まとめて登ることで「山歩き」1回分と考えればよいのだし、「名山」に選ばれている理由も知ることができる。さらには「佐久の名山」完登達成にもなる、といった理屈をつけて出かけてみたというわけです。
 城山は、日本に二つしかない五稜郭(星形の城郭)として知られる龍岡城の裏山です。地形図には三角点と881.5という標高は記されているものの、山名は記されていません。現地の道標にも山名はなく、「展望台」とあるだけです。山上に、戦国時代に築かれた田口城跡があることから、地元では単純に「城山」と呼ばれているのでしょう。しかし、「城山」は全国に無数にありますから、「佐久の名山」としてアピールするのであれば、田口城山というように差別化したほうがよいと思いました。「展望台」の表示がメインなのは、山上の一角に、龍岡城の五稜郭を見渡せる場所があるからです。そこからの展望は確かにすばらしく、山上に築かれた田口城跡も、石積みや堀切などの遺構が残っていて見応えがあり、「佐久の名山」にふさわしい山でした。山頂に相当する田口城跡の中心部は、三角点より高い位置にありましたから、三角点の標高に15mほどプラスした896m前後がこの山の本当の高さと考えられます。スタート地点の龍岡城との標高差はおよそ175m、展望台まで30分、頂上へはそこから5分余で登ることができました。
 一方の虚空蔵山は、中部横断道の佐久南インターからほど近い里山で、蓼科山から延 びてきた支尾根の先端部にあたります。山上の三角点の標高は773.7m、登山口の多福寺の標高がおよそ680mですから、高度差は100m弱しかありません。山というより丘といった感じです。僅か20分ほどの楽ちんな山登りですが、山頂に設置されていた展望櫓からの眺望はまさに絶景。いつもお世話になっている平尾山とは反対に、南側から佐久平を一望できるというのが魅力です。両方お参りしないと「片参り」になってしまうという、善光寺と北向観音(別所温泉)の関係同様、佐久平の全体像を知るには、平尾山だけではなく、こちらも登らないわけにはいかない「名山」でした。


『佐久の名山ガイド』に掲載されている17峰の名前と位置です。浅間山、蓼科山、八ヶ岳といった有名な山だけでなく、ポン太がしょっちゅう登っている平尾山などの里山もリストアップされています。地元の人に親しまれている山であることを重視した妥当な選定ではないでしょうか。
佐久の名山001.jpg
 これが、蕃松院という古刹から見上げた城山です。
蕃松院からみた城山.JPG
 登山ルートには、蕃松院の裏手からと、それよりも少し東側の民家の路地裏から入るものと2ルートあるということでしたので、とりあえず後者で登り前者のルートで降りることにしました。これが、後者のルート入口です。
登山口入口.JPG
 薄暗い林の中をひたすら登っていきます。
城山登山道.JPG
 尾根に出ると北側から林道がきていました。
林道.JPG
 そこを少し進むと「展望台100m」の標識があり、再び細い山道にはいります。
展望台まで100m.JPG
 少し登ると三角点が現れました。そこが最高地点というわけではなく、更に登ったところに展望台への分岐がありました。
三角点.JPG
 これが「展望台」です。そこだけ木立が途切れていて、眼下に五稜郭、その後方に八ヶ岳連峰の大展望がえられます。
展望台.JPG
 展望台からは、五稜郭の形をはっきり確認することができます。城内にある建物は小学校です。
上からみた五稜郭.JPG
 分岐までもどり、少し登ると広々とした田口城跡の園地に出ました。そこが城山の頂上と思われるのですが、何の標識もありません。こうした石積みが随所に残っていて、山城としては相当立派なものであったことが想像されます。
石積みが残る田口城跡(山頂).JPG
 七合目まで同じ道をもどり、標識にしたがって、蕃松院へのルートをたどったのですが、その結果大変な目に遭いました。
蕃松院分岐.JPG
 倒木もある荒れた道です。土砂や枯れ葉に埋まって道が消えているところもあり、かなり怖い思いをしながら急斜面を下りました。
蕃松院への下山路.JPG
 なんとか蕃松院裏まで下ると、こんな標識がでていてびっくり。七合目の分岐点にも表示してくれないと、ポン太のように知らずに下ってしまうケースが結構あるのではないでしょうか。小さな子供を連れていたりすれば、滑落する恐れもありますから、「佐久の名山」としては、ちょっと考えて欲しいものです。
DSCF1718.JPG
 現在の五稜郭は、緑がいっぱいです。
五稜郭の堀.JPG
 ちなみに、桜の季節はこのような美しさです。
サクラの五稜郭.JPG
 さて、次は虚空蔵山です。まずは登山口である多福寺へ。この裏山が虚空蔵山です。
多福寺と虚空蔵産.JPG
 石仏が並ぶ脇の道を登っていきます。
虚空蔵山登山口.JPG
 途中には四国八十八箇所の写し霊場があり、弘法大師と刻まれた石碑や石像が並んでいます。
弘法大師.JPG
 登ること20分ほどで、こんなに広々とした頂上に到達しました。展望櫓に登れば、佐久平の大展望を楽しむことができます。
山頂の展望櫓.JPG
 正面に見えるのは平尾山です。ということは、平尾山から虚空蔵山を望むことができるはずですが、今までまったく気づきませんでした。
虚空蔵山からの展望 平尾山を望む.JPG