士幌線十勝三股駅~忘れ難き終着駅(14)

第14回士幌線十勝三股駅(北海道)

 北海道十勝地方の中心都市といえば帯広です。現在の帯広駅に発着するのは、根室本線の列車のみですが、かつては、南へ広尾線、北へ士幌線が分岐する、鉄道交通の要衝でした。北へむかう士幌線の終点は東大雪の山懐に位置していた十勝三股。途中の糠平にはダム湖(糠平湖)があり、糠平温泉という観光地もありましたので、そこまでは士幌線を利用することがあっても、終点の十勝三股まで足を伸ばした人は少ないのではないでしょう。十勝三股には、これといった観光スポットはなく、その先どこかへ抜けられるというわけでもなかったからです。
 私が乗車した1972(昭和47)年3月の時点で、十勝三股まで行く列車は1日4本でした。帯広発の始発が6時10分、その次の列車は糠平止まりで、十勝三股行は13時00分までありません。その後の行動を考えると、始発に乗るのがベストというわけで、帯広駅に早朝の5時44分に到着する根室本線の夜行列車(423列車)を利用することにしました。そんな鈍行の夜行列車があったことも、今となっては夢のような話ですが、列車で十勝三股まで行けたことも実は大変幸運なことだったのです。なぜなら、その後、十勝三股エリアの居住者がどんどんいなくなってしまい、1978年12月25日以降、糠平~十勝三股間はバス(実際はタクシー)代行となったからです。士幌線が全線廃止となる1987(昭和62)年3月23日まで、十勝三股は名目上の終点という状態でした。
 国鉄末期の1980年、国鉄旅客営業路線の完乗を目的としたキャンペーン、「チャレンジ2万キロ」が始まりましたが、その時には、すでに士幌線を列車で完乗することはできなくなっていたわけです。列車の終点である糠平まで乗れば、士幌線完乗とみなすという決まりになっていたかと思うのですが、線路があるのに乗れないというのは、チャレンジャーにとっては、気分的にすっきりしないものだったでしょう。
 士幌線が十勝三股まで全通したのは1939(昭和14)年11月18日です。その先に森林鉄道があった時代もあり、林業の拠点として役割を担った駅でした。旅客用には片面ホームが1つあるだけでしたが、木材輸送の名残で構内は広く、何本もの線路があり、東大雪の山々を望む景色は雄大で、北海道らしさを感じた終着駅でした。
 なお、糠平ダムの建設に伴い、1955年に糠平付近のルートが変更されています。私が乗車したのはもちろん新しいルートの方です。旧線に存在したタウシュベツ川橋梁等は「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として第1回北海道遺産に選定され、古代ローマの遺跡のようだとして人気を集めていますが、そのころは名前すら知りませんでした。ただし、旧線跡らしきものを車窓から眺めて、カメラをむけた記憶はあります。

 当時の国鉄が配布していた観光パンフレットの一部です。士幌線が描かれた部分を拡大してみました。
士幌線沿線.jpg
 十勝三股駅は無人駅ではなく、入場券を買うことができました。
十勝三股駅入場券001.jpg
 十勝三股に着いた721Dです。寒冷地向けの気動車、キハ1215とキハ128の2両編成で、前者の一部は荷物室扱いとなっていました。(1972年3月11日撮影、以下同じ)
720311士幌線724Dキハ1215/十勝三股.jpg
駅の構内は広く、高原のような雰囲気を感じる駅でした。
720311士幌線十勝三股駅.jpg
 駅名板の脇に、海抜664mという表示があります。当時、北海道最高所の駅でした。
720311士幌線十勝三股にて俊明.jpg 
これはウペペケサンケ山(1848m)でしょうか。十勝三股駅から見た雪山の風景はインパクトがありました。
720311士幌線十勝三股からみたウペペサンケ山.jpg
 十勝三股の駅前風景です。当時の駅周辺には常住者がかなりいて、しっかり除雪されていました。
720311士幌線十勝三股駅前.jpg
 糠平湖を車窓からみた風景です。結氷しており、一面の雪原となっていました。
720311士幌線からみた糠平湖.jpg
 対岸に、旧線跡らしきものが見えました。タウシュベツ川橋梁はこの近くかもしれません。
720311士幌線からみた糠平胡付近の旧線?.jpg
 当時の国鉄は、個人旅行者を増やそうと、1970年から「ディスカバー・ジャパン」という名のキャンペーンを展開していました。そのため、士幌線の糠平駅にもこんなスタンプが設置されていました。記憶は定かではないのですが、観光客がほとんど来ない十勝三股駅には設置されていなかったと思います。
糠平駅スタンプ002.jpg

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