視界不良の夏なれど -浅間連峰花だより-

 梅雨明け後、少しばかり蒸し暑さを感じる日が増えました。それでも、エアコンが必要になるようなレベルではなく、海抜900mの高地に住むメリットを享受しております。残念なのは、わが家のまわりは晴れていても、浅間連峰や蓼科・八ヶ岳方面の山々にはいつもガスがかかっていて、すっきり晴れ渡るという日がないこと。当地のシンボルである浅間山もなかなか姿を見せてくれません。
 この状態で山に登っても展望は期待できそうもなく、山中で雨に濡れる可能性もあります。それでも、山へ出かけないとなんとなく気分がすっきりしません。ぐずぐずしていると、高山植物の盛りを見逃してまう恐れもあります。そこで登りやすくアクセスが容易な高峯山と、今季まだ1度も登っていなかった烏帽子岳へでかけてみることにしました。
 高峯山は7月初めの梅雨の最中に1度出かけており、その時はゴゼンタチバナやマイヅルソウ、ツマトリソウ、ウラジロヨウラク、カラマツソウ、アヤメといった花をたくさん見ることができました。今回はそれらの花々はすっかり陰を潜め、ニッコウキスゲ、ツリガネニンジン、ヒメシャジン、イブキジャコウソウ、クルマユリ、ウスユキソウなど夏山そのものといった花々のオンパレード。ガスが濃くなったり薄くなったりで、時折雨がちらつくという状態でしたが、登山道イコール高山植物園散策路といっても過言ではなく、高揚感に浸りっぱなしでした。それに何と言っても2000mの山は涼しく、熱中症の心配もなく、歩いていて気持ちの良いことこの上なしです。。
 烏帽子岳もやはりガスが濃淡をくりかえす状態でしたが、高峯山と同じように夏山らしい花がたくさん咲いていただけではなく、その花を目当てに集まるたくさんの蝶を見ることができました。とくに旅する蝶として知られるアサギマダラの数の多さに驚かされました。高峯山ではみられなかったコウリンカやウメバチソウ、クガイソウが咲いており、岩陰にはまだコマクサの姿もありました。初秋の花であるタカネマツムシソウもすでに咲いていて、紅葉し始めた木々も散見されます。「暦の上では立秋」という言葉を耳にすることが多いのですが、山は暦通りの秋なのです。
 ガスに覆われて展望のない山頂には、他に登山者はおらず静寂そのもの。ランチの場所を探して岩の上から周囲を見渡すと、こちらをじっと眺めている二頭の動物の存在に気がつきました。ニホンカモシカの親子です。山頂で子連れのカモシカに遭遇するとはなんという幸運でしょうか。
 山は視界不良でも楽しいことがいっぱいあります。しかし、世の中はそうはいきません。視界不良では不安は増すばかりです。政府は新型コロナの感染拡大に対して明確な対処方針を示さず、お盆休みに帰省すべきか否かの判断も個人に丸投げ。感染対策が十分とれるなら帰省してもよいといわれて、その自信ありと言い切れる人などいるのでしょうか。帰省しても密になるな、ジイバアと孫のスキンシップはダメ、友人や親類との会食や飲み会も控えよ等々。それって帰省する意味があるのかしら、と思ってしまうポン太です。

 高峰高原ではニッコウキスゲが盛りをむかえていました。
高峯高原のニッコウキスゲ.JPG
 ニッコウキスゲに混じってハクサンフウロも咲いていました。
キスゲとフウロ.JPG
 ワレモコウを見ると秋が近いことを感じます。
ワレモコウ.JPG
 こちらはシモツケソウの群落です。シモツケソウとシモツケは間違いやすいのですが、こちらはシモツケソウとみて良さそうです。
シモツケソウ群落/高峰高原.JPG
 高峰山の登山道脇に、こんな豪勢なクルマユリが咲いていました。
豪華クルマユリ/高峯山.JPG
 これはオミナエシの高山種、ハクサンオミナエシです。
ハクサンオミナエシ.JPG
 マルバダケブキの花も咲き始めていました。
マルバダケブキが咲いた/高峰山.JPG
 森の妖精が現れても不思議ではないようなヒメシャジンです。前にも書きましたが、この花をみるとディズニーアニメを思い出します。
ヒメシャジン.JPG
 日本のエーデルワイス、ウスユキソウです。花のように見えるのは苞葉だそうですが、気品があります。みるからに涼しげで、このまま花束にして、猛暑に悩まされている方々へお贈りしたいような気持ちになります。
エーデルワイス群落.JPG
 オンタデがこんなに赤くなっていました。
色づいたオンタデ.JPG
 頂上の岩陰ではイブキジャコウソウが芳香を漂わせており、隣のツリガネニンジンとのコラボも素敵でした。
山頂のジャコウソウ群落.JPG
 ガスが晴れることはなく、高峰山頂からの眺めはこれが精一杯。それでもたくさんの花を見ることできたので大満足でした。
DSCF3600.JPG
 頂上付近ではたくさんのトンボが舞っていて、そこにも秋を感じました。
あざみとトンボ.JPG
 次は烏帽子岳の様子です。長い間工事のため通行止となっていた地蔵峠~湯の丸キャンプ場間が通行できるようになりました。これは湯の丸キャンプ場から見た湯の丸山ですが、すっきりしない空模様です。
DSCF3763.JPG
 キャンプ場から続く草原にはコオニユリが咲いていました。クルマユリと似ていますが葉が違います。
コオニユリとフウロ.JPG
 登山道脇のカラマツ林は、いつもながらの美しさです。爽やかな空気感がたまりません。
カラマツの純林.JPG
 こんなに美しい色のウツボグサが咲いていました。
ウツボグサ (2).JPG
 クガイソウ咲く稜線です。
稜線のクガイソウ.JPG
 ガスに覆われて展望はいまひとつでしたが、稜線に咲く花の多さに癒されました。
ガスの湧く稜線をいく.JPG
 今年初めてウメバチソウを見ました。
ウメバチソウ.JPG
 オトギリソウも咲いていました。
オトギリソウ.JPG
 可愛いハクサンフウロの花にこの美しい蝶。ルリシジミ蝶の類ではないかと思うのですが、まるでメルヘンのようです。
ルリシジミ?.JPG
 まだ蕾の状態のものが多かったのですが、タカネマツムシソウも咲いていて、はやくも夏が盛りを過ぎたことを実感しました。
タカネマツムシソウ.JPG
 かと思うと岩陰にはまだコマクサの姿も。
コマクサ/烏帽子.JPG
 この山では初めて見たコウリンカです。
コウリンカ.JPG
 夏と秋が交錯するのがこの時季らしいところで、アキノキリンソウの後ろではクロマメノキが紅葉し始めていました。
アキノキリンソウ (2).JPG
 同じウスユキソウでも稜線の岩場で見る方がより一層気高さを感じます。
ウスユキソウ(エーデルワイス).JPG
 イブキジャコウソウも同様です。今年はこの花の当たり年なのか、いたるところで見ることできました。
イブキジャコウソウ群落.JPG
 小烏帽子から烏帽子岳の頂上付近を見るとこの状態でした。これでは展望は望めないので、とりあえずピークを踏んで昼食をと考えましたが、その頂上で思いがけぬご褒美が待っていようとは。
DSCF3843.JPG
 なんだなんだ、何か動いているぞ、とそちらを見るとカモシカの親子でした。
かもしかの親子.JPG
 子供のカモシカを見たのは初めてです。どんな動物でも子供は可愛いですね。
DSCF3866.JPG
 そして、この日最後のご褒美がこれ。この美しい私をよく見て!といわんばかりに、目の前で大きく羽を広げてくれたアサギマダラです。
アサギマダラ.JPG

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