三つの浅間山をめぐる

 コロナ禍は収まるどころか、またまた感染拡大の様相を呈しており、困ったことです。感染すれば重症化リスクの高い世代に属しているポン太ですから、密になるような場所を避け、遠出もあきらめ、専ら近場の山野を徘徊する日々です。そんな中で新たに気づいたことも多々あります。その1つが、浅間山麓には、そのものズバリ浅間山を山号とする寺院が3つもあることでした。
 寺名の前に○○山という山号をつけるのは中国由来だそうで、同名の寺院を区別するために、所在地の山名をつけるようになったのがその始まりとか。平地のお寺でも、例えば、金龍山浅草寺というように山号をつけるのは、山を聖なるものとみる意識が根底にあるように思います。
 浅間山という、地域の象徴であり誰もが知る山を山号にしている三つのお寺というのは、軽井沢町の泉洞寺、御代田町の普賢寺と真楽寺です。
 まずは追分宿の浅間山泉洞寺から。1598年(慶長3年)の開創という曹洞宗の古刹ですが、境内にカーリング地蔵や縁結び地蔵といったユニークな地蔵が並ぶ、親しみやすいお寺でもあります。晩年を追分宿で過ごしていた作家の堀辰雄氏が、毎日の散歩コースにしていた場所としても知られています。参道の紅葉が美しく、ポン太も毎年楽しませてもらっています。
 次は、浅間サンライン沿いにある浅間山普賢寺。ちょっと珍しい黄檗宗のお寺で、1677年(延宝5年)に、浅間山の噴火を鎮めるために開かれたそうです。黄檗宗の本山は、江戸時代に中国から招かれた隠元禅師が開いた京都(宇治)の萬福寺で、ポン太も修学旅行で訪れたことがあります。すべてが中国式のお寺で、解説者から、ここの僧は昔から食事をする際にも机と椅子のモダンな生活をしており、皆さんのように2DKの団地に住むようになって、ようやくそうなったのとは違うのです、といった趣旨の話を聞いた記憶があります。たしかに、そのころの多くの日本人は、まだタタミとちゃぶ台の生活でした。浅間山普賢寺は、スケールこそ小さいものの、京都の萬福寺と同じ雰囲気が漂っていて、黄檗宗のお寺であることを実感します。普賢寺の後方には、「普賢山落」という別荘地があります。文化芸術系の方々の別荘が多く、故武満徹氏もそこを作曲活動の拠点にしていた由。
 最後は浅間山真楽寺です。浅間山麓の古刹中の古刹といってもよいお寺で、創建はなんと1400年以上前の用明天皇(聖徳太子の父)の時代(585~587年?)とされます。浅間山の噴火の鎮静を祈願する為に勅願により開かれたと伝わる「祈願寺」で、現在は真言宗智山派の寺院です。御代田町の夏の風物詩「龍神まつり」は、甲賀三郎伝説の残る境内の大沼の池からスタートするのですが、今年は、コロナ禍のために中止となってしまいました。仁王門や三重塔など、見どころも多く、四季を通じて散策にはもってこいの場所といえましょう。
 浅間山を山号とする三寺院のどれもに、浅間山に負けない風格を感じたポン太でした。

 泉洞寺参道入口の門柱には、浅間山の文字がしっかり刻まれています。
浅間山の文字付石柱.JPG
 泉洞寺の山門です。門の奥に見えている本堂にも「浅間山」の額が掲げられています。
浅間山泉洞寺山門.JPG
 鐘楼も風情があります。
泉洞寺鐘楼.JPG
 参道を彩る紅葉はみごとです。
参道.JPG
 山門の内側から見ても風情があります。
泉洞寺の門.JPG

 こちらは浅間山普賢寺の山門です。すでに異国情緒が漂っています。
普賢寺山門.JPG
 この文字、「浅間山」には見えないのですが、異字体を用いているのでしょうか。
普賢寺の扁額.JPG
 モミジ葉の絨毯を敷き詰めたような境内に建つ普賢寺の本堂です。丸窓や桃のマーク(そう呼んでよいのかどうかわかりませんが)に、黄檗宗らしさを感じます。
普賢寺、紅葉の絨毯.JPG
 別の角度からみた本堂ですが、意外な大きさに驚かされました。
普賢寺本堂.JPG
 参道に菱形の石が並ぶのも黄檗宗らしいところで、京都の萬福寺もそうなっていたと思います。これは龍の背を意味しているとか。
普賢寺の参道の石.JPG
 この道具、正式な呼び名はわかりませんが、中国的雰囲気が漂っています。
山門の木魚.JPG
 
 浅間山真楽寺にやって来ました。風情のある山門(仁王門)ですが、ここに記されている「浅間山」の文字も異字体のようです。
真楽寺山門.JPG
 真楽寺のシンボルの1つといえるこの石段。龍神まつりの際に、ここを上り下りする龍の姿は圧巻です。
真楽寺石段.JPG
 龍神伝説の残る大沼の池です。
真楽寺の龍神池.JPG
 龍神まつりの際には、この立派な本堂前が龍の休憩場所となります。 
真楽寺本堂.JPG
 真楽寺といえばこの三重塔。1751年(寛延4年)頃の建造物ということですが、優美で見応えがあります。
三重の塔/真楽寺.JPG
 石段の表参道の隣に脇参道もあり、その周辺の紅葉はみごとです。
真楽寺脇参道の紅葉.JPG
 真楽寺の境内には、高さ20mという子育て地蔵尊もあります。同種の中では日本一の高さだそうで、八ヶ岳・蓼科連峰と対峙し、佐久平一帯の子育てをすべて見守っているような姿に見えます。
子育て観音.JPG
 真楽寺の北側には、御代田町が整備した「シャクナゲ公園」があります。シャクナゲはまだ大きく育っておらず、名前負けしているようなところがありますが、紅葉はきれいでした。
シャクナゲ公園.JPG

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