大展望の霧訪山へ

 名前を聞いただけで、興味がわき、憧れのような気持ちを生じさせる山というものがあります。霧訪山もその1つです。霧が訪れる山、なんとロマンチックな山名なのでしょうか。読み方は「きりとうやま」です。
 いつか霧のように密かに訪れてみたいと思ってはいたのですが、なにせ所在地が、上伊那の辰野町と、浅間山麓からはかなり離れていることもあり、なかなか足がむきませんでした。ところが、いつもの平尾山で顔見知りになった方(かなりの山男です)から、「霧訪山は良い山だよ。とにかく展望がすばらしい。今ならオキナグサも見られる」と言われ、がぜん出かける気になったというわけです。
 登山ルートはいくつかありますが、辰野町小野の集落側から尾根筋を直登する「かっとりコース」で登ることにしました。登山口から山頂までの距離は1600m。山頂の標高は1305m、登山口の標高が880mなので高度差は425mということになります。全体的にみるとかなりの急登ですが、道はよく整備されており、不安なく登って行くことができました。地元の中学生が設置してくれた「あと○○m」という距離標識が100m間隔で立っており、登るに従ってその数字が減っていくので、励みになります。
 登り始めて30分ほどで、送電線鉄塔の立つやや平坦な場所に到達しました。そこがコース名になっている「かっとり城跡」で、登山口の小野の集落や、南アルプスの雪山を望むことができます。
 コースのちょうど中ほどあたりに避難小屋もあり、雷雨など天候が急変した際には心強い存在です。標識といいこうした施設といい、実に良く整備されていて、地元の方々の「霧訪山愛」を感じました。
 あと「300mm」の標識を見ると足も気分も軽くなります。展望も開けてきて、山頂はさぞかしという期待感が高まります。登り始めておよそ1時間半で山頂に到着しました。すでにかなりの数の登山者がいておどろきましたが、人気の山である証拠です。  
 山頂からの眺めは、文字通り360度の大展望でした。3つのアルプス、御嶽山、八ヶ岳連峰、霧ヶ峰、美ヶ原、さらには新潟県境の雨飾山や妙高山まで一望の下です。あまりにたくさんの山が目に入ってしまうので、山座同定をしきれるものではありませんでした。
 標高1300mレベルの里山で、これほどの展望が得られる山をほかに見つけることは難しいのではないでしょうか。辰野町は、NHK「チコちゃんに叱られる!」で、"日本の中心のなかの中心地"と紹介された町です。したがって、霧訪山からの眺めは日本のど真ん中からの眺めという付加価値も有しており、最上級といってもよい里山歩きを堪能したポン太でした。

 かっとりコースの入口付近にある駐車場です。まだ桜が咲いていました。
登山口駐車場.JPG
 いざ登山口へ。芽吹いたばかりのカラマツのまばゆい緑が迫ります。
登山口へ.JPG
 ここが立派な標識の立つ登山口です。
登山口.JPG
 おっと、いきなりの急登です。これより階段257段とあります。
いきなり急登.JPG
 地元の両小野中学校の生徒たちが設置した、このような距離標識が励みになります。
親切な距離看板.JPG
 かつては御嶽信仰が盛んであったということで、登山道沿いには、文化8年(1811年)建立という御嶽山大権現碑がありました。
御嶽大権現.JPG
 30分ほど登ったところにある、かっとり城跡です。戦国時代の小笠原氏の重臣の城跡とのこと。この時代の山城は登るだけでも大変です。
かっとり城跡.JPG
 かっとり城跡からみた小野の集落と南アルプスの山並みです。敵が攻めてくればすぐに気がつく場所であることは間違いないでしょう。
かっとり城跡からの眺め.JPG
 こんな手造り感あふれる避難小屋もありました。
避難小屋.JPG
 クマ注意と、入山禁止の看板が並ぶ光景。クマはもちろんですが、勝手にキノコを採る人間も要注意というわけです。
クマと入山注意の看板.JPG
 あと300m。元気が出ます。
あと300m.JPG
 登山道沿いには展望の開けた場所もあります。
展望が開ける.JPG
 あと一息です。
あと少し.JPG
 山頂にはかなりの数の登山者で賑わっていました。ちょっと心配になりましたが、「密」というほどではなく、ある程度の距離をとってランチを楽しむことができました。
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 山頂からの大展望の一端をご紹介しましょう。まずは穂高、槍です。
穂高・槍.JPG
 こちらは松本盆地と北アルプスの後立山連峰。
後立山連峰.JPG
 反対側を見ると、南アルプスがみごとな眺めです。
霧訪山からの南アルプス大展望.JPG
 山並みの奥に白く見えるのは御嶽山です。
御嶽.JPG
 八ヶ岳蓼科連峰は、右端の編笠山から左端の蓼科山まで全容を望むことができます。
八ヶ岳蓼科連峰.JPG
 山頂に咲くオキナグサですが、いまや絶滅危惧種とか。かつては群生していたようですが、この日見かけたのはこの1株だけでした。
山頂のオキナグサ.JPG
 360度の大展望を堪能し、下山の途につきました。
山頂付近の登山道.JPG
 和田峠を越えてわが家にもどる途中、菜の花畑にこんな像(かかし?)が立っていました。ワクチン接種でコロナ退散とは、なんともタイムリーな像ですが、それがなかなか実現しないのがもどかしいかぎりです。
コロナ終息願案山子.JPG


「アウェイ」に勝る「ホーム」の桜 <その2>

 いよいよ海抜900m~1000mエリアの桜が盛りとなりました。御代田町から軽井沢町にかけての一帯です。ここはポン太にとって、「ホーム」中の「ホーム」。桜を眺めながらの散歩は、本当に気持ちのよいものです。一年に一度だけ巡ってくるこの季節を逃してはならじと、ほぼ毎日、カメラを手に歩き回っております。
 このエリアには、全国的に知られるような桜の名所はありません。しかし、公園、学校、公民館といった公共施設から個人の庭に至るまで、いたるところに咲いている桜の中には、樹形のよいものや、ロケーションにぴったりのものが少なくありません。すばらしい桜との出会いを求めて出歩いても、ほとんど人に会うことはなく、心ゆくまで眺めていられるのも「ホーム」ならではです。
 全国的に知られる桜名所はないと述べましたが、桜名所といってもよいのではと思うところが2箇所あります。それは、御代田町の雪窓公園と真楽寺です。どちらも桜の数が多く、満開になれば桜の海が出現します。この2箇所を含め、ポン太お気に入りの「ホーム」の桜をご紹介しましょう。

 まずはわが家のすぐ近くのお宅の桜から。散歩に出かける際に、最初に目にする素敵な桜です。
ご近所の桜.JPG
 個人のお庭の桜ですが、風格を感じる桜です。
個人宅の立派な枝垂れ.JPG
 街の中にも見応えのある桜があります。これは御代田町の「ふれあいパーク」という名の小公園です。幹線道路沿いにあり、車からもよく見えます。
町中の桜.JPG
いつもの散歩コースの中で、浅間と桜の取り合わせがすばらしいのが、ここヴァンデュール西軽井沢前の道路です。
ヴァンデュール西軽井沢前の桜.JPG
水辺(御影用水)の桜です。数は少ないのですが、それがかえって存在感を高めているようなが気がします。
水辺の桜.JPG
こちらも同様で、白樺の木に隠れるようにして楚々と咲く桜には、惹かれるものがあります。
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こちらのお宅の桜の下の巣箱、お洒落ですね。
さくらと巣箱.JPG
開拓碑の立つ公民館の桜も見事です。残念ながら今年も地域のお花見会は中止となりました。
公民館の桜.JPG
農家の周囲に咲く桜と浅間山。浅間山麓の春らしい風景です。
御代田の農家と浅間.JPG
こちらは中山道の桜です。前方に蓼科山を望む絶好のロケーションで、毎年楽しみにしている風景です。
中山道の桜.JPG
そのすぐ近くにある一里塚の桜です。樹勢が衰えたため、枝の半分以上が切り落とされ、こんなに小さくなってしまいました。それでも健気に花をつけている姿にエールを送りたくなります。
一里塚の桜.JPG
中山道追分宿も、桜が咲くとより一層風情が増します。
追分宿の桜.JPG
こちらは御代田町役場前の桜です。樹形が美しく、大きく育てばシンボルになりそうです。
町役場の桜.JPG
いわれはわかりませんが、立派な桜です。ここはかつてはパチンコ屋さんの駐車場だったところですが、今年から軽井沢の地ビールとして有名なヤッホーブルーイングの本社兼工場となりました。
ヤッホーブリューイングの桜.JPG
こちらは御代田町きっての桜名所といってよい雪窓公園。エントランスの見事な桜並木です。
雪窓公園の桜並木.JPG
公園内は桜がいっぱい。ソメイヨシノだけでなく、樹形のよい枝垂れ桜もたくさんあります。
雪窓公園内の見事なしだれ.JPG
たくさん咲いている桜はもちろん素敵ですが、畑の中に1本だけ咲く桜もインパクトがあります。
畑の中の一本桜.JPG
最後は真楽寺の桜です。浅間山麓の桜名所としてもう少し知名度がアップしてもよいのではないかと思うのですが・・・。
真楽寺の桜.JPG
桜がいっぱいの境内です。
さくらがいっぱいの境内.JPG
高さ20mもある日本一大きな子育地蔵の下では桜が満開。後方では落葉松が芽吹いています。
桜に包まれた地蔵尊.JPG

「アウェイ」に勝る「ホーム」の桜 <その1>

 サッカーという競技にさして興味があるわけではないのですが、サッカーでよく使われる「ホーム」「アウェイ」という用語は大好きで、しばしば口にしています。「ここはアウェイなので様子がよくわからない」とか、「ホームに帰ってきたのでひと安心だね」といった具合。買い物や通院、ウォーキング等でいつも歩き回っている生活圏が「ホーム」、その外側が「アウェイ」というわけです。ポン太にとって「ホーム」とはどこかといえば、浅間山麓を含む北佐久郡のエリア+αといったところでしょうか。
 さて、その「ホーム」の桜が、いま盛りをむかえています。見慣れた風景の中に桜が出現すると、雰囲気が一気に変わり、気分も明るくなります。「マイさくら」「身内のさくら」といった感覚かもしれませんが、「ホーム」の桜には特別な親しみを感じてしまいます。
 公園や牧場、寺社といったそれなりの桜名所だけでなく、畑の片隅や個人の庭、道端などに咲いている桜にも、それぞれに魅力があり、見飽きることがありません。できることなら全部眺めてみたいと思うほどです。このところ、毎日のように桜ウォッチングにでかけ、見栄えのする桜を眺めては「いいね」を連発しているポン太です。
 「ホーム」の桜の魅力を、二回にわけてご紹介することにいたしましょう。

 まずは、佐久市臼田の稲荷山公園から。以前のブログで藤村の「千曲川旅情のうた」の詩碑があることをお伝えした場所ですが、桜が咲くと全く別の景色となります。
稲荷神社の桜.JPG
 藤村詩碑の前から見た千曲川と浅間山です。春らしい景観ではないでしょうか。
千曲川に春.jpg
 稲荷山公園の桜と八ヶ岳です。桜と雪山のコラボ、これぞ信州の春です。
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 桜の下で、信州の県民スポーツ、マレットゴルフに興じる人々。こういう風景をみることが多くなりました。
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 こちらは佐久市の中心部、千曲川沿いに桜並木が続く「さくらサく小径」です。気持ちの良い散歩が楽しめます。
さくらサく小径.JPG
 千曲川の調整池のほとりも春の景色になりました。
さくらサく小径の先の遊水池より.JPG
 佐久平で、桜の季節にどうしても訪れたい場所は、長野牧場(家畜改良センター長野支場)です。
長野牧場と桜.JPG
 満開の桜は見応えがあります。
長野牧場.JPG
 広々とした圃場の中に1本だけ咲く桜も風情があります。
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 牧場ですから当然家畜がいます。ここの主はヤギさんですが、のどかに草を食む風景には癒されます。
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 穏やかそうなヤギさんですが、時にはこのポーズ。「てめえ、なめてんのか」と威嚇しているように見えました。
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 この春生まれた子ヤギたちも元気に遊んでいます。
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 いつもならこのあたりの草の上にシートを広げ、花見の宴に興じるところですが、コロナ禍ではそれは御法度。座る人は誰もおらず、閑散としていました。
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 花見の宴はだめでも、花見の団子ぐらいは食べたいもの。牧場の近くにある、創業 嘉永四年という老舗菓子店「玉屋」で、三色団子を購入しました。
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 この団子は、小さな団子の中に小豆、ごま、くるみの餡が入っているというもの。屋外で食べるのはもったいないような、ちょっと高級感のある団子でした。
三色団子.JPG
 さて、いつも登っている平尾山の麓の桜も満開となり、山に登る前の楽しみが増えました。桜と北アルプスのコラボは最高です。
桜と北アルプス.JPG
 桜の後ろに見えるのは、鹿島槍ヶ岳と五竜岳です。
桜と鹿島槍.JPG
 スキーゲレンデの下端部も花がいっぱいです。最近はここから登り始めることが多くなりました。
ゲレンデ下も花盛り.JPG
 平尾山の麓では、はやくもプラムの花が咲き始めていて、後方の桜とコラボする風景も見られます。
平尾山麓の桜他.JPG
 桃も咲き始め、桃源郷が出現しました。
平尾桃源郷.JPG
 先日の雨が浅間山では雪となりました。山頂部が真っ白になった浅間山と咲き始めた桃の花。これまたよい眺めです。
桃と浅間.JPG

鉄道ゆかりの桜めぐり

 それこそいたるところに桜が咲いているという状態になりました。木々の芽吹きも始まり、朝夕はまだ寒さが残るものの、快適な季節になったことは間違いありません。
 さて、盛りをむかえている浅間山麓の桜の中には、鉄道と関わりの深い桜もあります。そのいくつかを巡ってみましたのでご紹介しましょう。
 まず最初は小海線三岡駅の桜です。小海線で桜といえばこの駅が一番だと思うのですが、その桜にはこの駅の開設事情がからんでいるのです。小海線の前身である佐久鉄道開業時には三岡駅はありませんでした。そこで、地元の人々が駅の開設を強く望み、寄付金を募って、1925(大正14)年4月14日、開業に至ったのです。しかし、資金提供を渋った村もあったということで、そちら側からの駅へのアクセスを悪くするために土手を築き、それが崩れないように桜を植えたといわれています。由来はともかく、大きく育った桜が、乗客の目を楽しませているのですから、今となっては結果オーライの桜と言うことができるでしょう。

 桜満開の三岡駅を出る小海線上り列車です。
小海線三岡駅にて②.JPG
 のどかな雰囲気で癒されます。
小海線三岡駅にて①.JPG

 次は、布引電気鉄道由来の桜です。小諸と島川原を結ぶ布引電気鉄道が開業したのは1926(大正15)年12月1日。それから僅か8年で破綻し廃止されてしまった薄命の鉄道でした。開業を祝って沿線に桜を植えたそうですが、それが今は「桜花のトンネル 眺望百選」といわれるほどの見事な桜並木となっています。
 この桜並木の道路が電車の廃線跡だと知る人は少ないのではないでしょうか。
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 上方から見た布引電気鉄道跡の桜並木です。
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 こちらは布引側をみたところです。桜並木の先で千曲川を渡り、布引観音の下を通って島川原へというのが、布引電気鉄道のルートでした。
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 布引電気鉄道の布引駅跡には、下り線ホームが残っており、桜の季節になると、沿線随一の観光地の駅であった往時が偲ばれます。
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 このホームに降りた乗客は、左手の参道入口から、布引観音へとむかったわけです。この桜の後方に駅舎があったようです。
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 布引観音は、20分ほど参道(かなりの山道です)を登った先にありますが、そこの桜も見事です。
布引観音の桜.JPG
 こちらは、小諸駅から少し滋野駅方面に進んだ箇所にある、信越本線旧線跡脇の桜です。「旧線跡のトンネル」が見えますが、実はこれはトンネルではなく橋梁で、竣工プレートには、「新町拱橋、竣工昭和43年1月」とあります。この付近を高架複線化する際に、旧線の上を斜めに跨ぐ形で新線を建設したことから、このような形状になったものと思われます。
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 反対側(滋野側)はこうなっています。これを見れば、トンネルではなく橋梁(拱橋=アーチ橋)であることがよくわかります。
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 その先に続く旧線跡の脇にも桜が咲いていました。
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さくら劇場開演-上田城と小諸懐古園

 浅間山麓を含む東信(東信州)エリアにも、いよいよ桜のシーズンがやってきました。上田城はすでに終盤に入り、小諸の懐古園は満開、佐久平一帯は五分咲き、御代田町や軽井沢町は咲きはじめ、ざっくり言えばそんなところでしょうか。
 前回のブログで、「スプリング・エフェメラル」になぞらえて、春ははかないものと書きましたが、そうであればこそ、その短くも華やかな舞台を見逃すわけにはいきません。
 そんなわけで、まずは上田城へ。その三日後には小諸の懐古園(小諸城址)へと足を運びました。どちらも「日本百名城」に選ばれている趣のある城址です。上田城は千本桜で知られ、懐古園は全国の「さくら名所100選」のひとつになっていますから、見過ごすわけにはいきません。
 上田城のソメイヨシノは盛りを過ぎていましたが、散った花びらでお堀の水面が花筏状態になっていて、それはそれで風情がありました。色の濃い枝垂れ桜が満開で、石垣や櫓とコラボしている姿は、まるで時代劇のセットのようでした。
 上田城だけでなく、市内の丸子地区(旧丸子町)にある、信州国際音楽村にも立ち寄ってみました。そこを訪れたのは初めてですが、満開のソメイヨシノに加えて、丘陵一帯を埋め尽くす水仙の美しさと迫力に圧倒されました。「音楽村」の名のとおり、浅間連峰の山々を背にした丘の上に、屋外ステージが設けられているのですが、そこで管弦楽のコンサートを聴けたら、どれほどすばらしいことかと想像してしまいました。
 小諸懐古園は、車で20分ほどと近いこともあり、毎年訪れていますが、今年はベストタイミングであったようで、ソメイヨシノも当地の固有種である「小諸八重紅枝垂」も満開でした。天守台に立ち、馬場を見下ろすとそこはまさに桜の海。いつもなら花見の宴で大賑わいのはずが、コロナ禍で宴会は全面禁止となっており、人影もまばら。隣接する動物園の馬を散歩させている飼育員の姿があり、往時の「馬場」にもどったかのような、のどかな雰囲気でした。

 まずは上田城から。桜に包まれた櫓は、天守閣のように見えます。
桜の上田城.JPG
 この石垣と桜の格調の高さ。やはり上田城は天下の名城です。
桜と城と青空と.JPG
 お堀沿いの桜は上田城らしい景観です。
堀と桜と.JPG
 櫓門前の桜はだいぶ散ってしまい、お堀の水面は落ちた花びらで真っ白です。
お堀が花筏状態になった上田城.JPG
 櫓門の前には、コロナ退散を願うオブジェが飾られていました。効果があるとよいのですが・・・。
コロナ退散のオブジェ.JPG
 城内には桜以外の花もたくさん咲いていて、まさに春爛漫です。
城内は花盛り.JPG
 石垣と桜は実によく似合います。
天下の上田城.JPG
 桜の下に、鎧武者登場。何の撮影かな?
武者登場.JPG
 こちらは信州国際音楽村の水仙畑です。蓼科山を借景とするロケーションのよさに驚きました。
信州国際音楽村の水仙と蓼科山.JPG
 桜と水仙がコラボしていました。
桜と水仙.JPG
 満開の桜の先には菅平の山々が見えます。
桜のむこうは菅平.JPG
 浅間連峰を見渡せる場所に野外ステージがありました。音楽と風景が一体化して、素敵な演奏会ができそうです。
音楽堂.JPG
 さて、こちらは小諸の懐古園入口です。
懐古園入口.JPG
 園内はソメイヨシノが満開。気分良く散策できます。
懐古園内.JPG
 桜の広場になっている旧馬場の入口には、こんな看板が出ていました。
宴会禁止.JPG
 小諸ならではの「小諸八重紅枝垂」も満開です。赤味が濃く見応えがあります。
小諸八重紅枝垂れ.JPG
 このあたりは、本来なら花見の宴の一等地ですが、「宴会禁止」の今年は誰もいません。
花見の宴なき馬場.JPG
 桜の下を散歩するお馬さん。のどかで良い雰囲気です。
馬が散歩する馬場.JPG
 昔は馬場だったところですから、違和感はありません。
おうまさんも一息.JPG
 天守台からみた馬場は、桜の海です。
天守台からみた馬場.JPG
 千曲川を見下ろす東屋のまわりの桜も風情があります。
千曲川を見下ろす東屋と桜.JPG
 桜の中に松の緑も混じり、城址らしい雰囲気が感じられるのも懐古園の良さではないでしょうか。
城址らしい風情.JPG

 

スプリング・エフェメラル

 寒冷地の住人にとって、春は本当に待ち遠しいものです。ちょっとした兆しを見つけただけで、気分は高揚します。しかし、実際に春が訪れると、その歓喜の時間は瞬く間に過ぎ去ってしまいますから、春ははかないものといえましょう。
 窓から毎日眺めているわが家の庭やその先の森が、少しずつ緑がかってきました。レンギョウの黄色い花が咲きはじめ、小さいながら素敵な名をもつウグイスカグラも咲いています。アンズは開花まであと一息といったところですが、森の中に何本もあるコブシの中にはすでに満開になったものもあります。庭の片隅では、チューリップが可愛らしい花を咲かせており、寒い時期にはしおれたようになっていたビオラも元気を取り戻し、新たな花を次々に咲かせています。
 平尾山では、スミレの花を見かけるようになりました。竜神池のまわりの水仙は、これほどたくさんの株があったのかと驚くほどのボリュームで咲いています。広葉樹の森の中に、アズマイチゲ(東一華)の可憐な花が咲いているのを見つけました。調べてみたところ、スプリング・エフェメラルの一種とあります。その意味は、直訳すれば「春のはかないもの」「春の短いいのち」だそうです。春先に花を咲かせた後、地上部は枯れてなくなり、翌春まで地中の地下茎のみで過ごす。つまり、春のほんの僅かな期間しか姿を見ることのできない植物の仲間というわけです。
 平尾山の麓では、桜も咲きはじめ、平尾山を山号とする守芳院では、枝垂れ桜がすでに見頃になっています。あと1週間もすれば、山麓一帯が桜の園と化すことでしょう。桜そのものはスプリング・エフェメラルではありませんが、花は散り始めればあっという間に消えてしまうはかない存在であることに違いはありません。桜にかぎらず、どの花もこの時季だけの「スプリング・エフェメラル」なのです。


 レンギョウが咲くと庭が明るくなります。
レンギョウ.JPG
 チューリップが咲きはじめました。
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 名前負けしているように思えるウグイスカグラの花です。
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 冬を越したビオラもこんなに元気に咲いています。
ビオラも元気に.JPG
 大地の緑が復活し、散歩中に目にする景色もすっかり春です。
あおめる大地と浅間.JPG
 水辺(御影用水)の土手にタンポポが咲いていました。
水辺のタンポポ.JPG
 平尾山の明神池のまわりでは水仙がこれでもかと咲いています。
水仙満開の竜神池.JPG
 コブシと水仙のコラボも素敵です。
コブシと水仙.JPG
 スミレを見るとやはり春を感じます。
スミレ.JPG
 アズマイチゲの咲く森です。
アズマイチゲ咲く森.JPG
 この可憐さ、はかなさ。見ることができただけで幸せな気分になれる、アズマイチゲです。
岩の下のアズマイチゲ.JPG
 平尾山の麓では桜が咲きはじめました。
桜ほころびる.JPG
 咲きはじめた梢の先に、槍ヶ岳と穂高連峰がシルエットになっています。この時季ならではの風景です。
咲き始めの桜と槍ヶ岳.JPG
 守芳院の枝垂れ桜です。桜の名所として知られているわけではないのですが、ポン太お気に入りの桜の1つです。
守芳院のしだれ.JPG
 ほぼ満開といったところでしょうか。
守芳院の枝垂れ桜.JPG
 梅と桜がコラボしているのもこの地ならではです。
しだれと梅と.JPG
 守芳院から眺めた佐久平もすっかり春の風情です。
佐久平の春.JPG

お花見と鉄分補給

 鉄道好きにとって、本物の鉄道やその施設に触れる機会のない日々が続いていることは、すこぶる残念な状況です。コロナ禍さえなければと、恨み節のひとつも出るわけですが、重症化リスクの高い高齢者の一員としては、感染リスクを冒して遠方まで出かけるわけにはいきません。どこか近場で、鉄分を補給できるところはないかと考えていたところ、お隣の群馬県では桜が見頃というニュースが伝わってきました。碓氷峠を下りさえすれば、旧横川機関区の跡地を利用した「碓氷峠鉄道文化むら」があります。鉄道気分を味わえるだけでなく、今季初のお花見もできそうですから、これはまさに一石二鳥。平日であれば、人出を心配する必要もなさそうなので、出かけてみることにしました。
 狙いは的中しました。標高400m弱の横川駅周辺では、例年より1週間以上も早く、桜が満開になっていました。「碓氷峠鉄道文化むら」の保存車両群の中身は変わっていませんでしたが、桜の花に囲まれていると、やはり見栄えがします。アプト式時代の機関車や関連機材は、何度見ても懐かしさを禁じえません。アプト式廃止後も、横川~軽井沢間が国鉄の最急勾配区間であったことに変わりはなく、この区間専用の電気機関車(峠のシェルパ=EF63)や、同機関車と協調運転をすることにより、峠を上り下りしていた往年の特急車両にも、ノスタルジーを感じます。訪れる価値のある施設であることは間違いなく、この桜の季節は特におすすめといえるのではないでしょうか。
 桜を愛で、鉄分を補給して浅間山麓のわが家(標高約900m)にもどると、季節も3週間ほど逆もどりです。桜の「さ」の字もありませんが、庭のダンコウバイは満開となり、コブシも咲きはじめ、落ち葉の下からルバーブやギョウジャニンニクが顔をだしています。アンズの蕾も膨らんで、開花まであと一歩というところまで来ました。今年の桜の開花は、どこも記録的なはやさということですから、ここ浅間山麓でも、今月中旬には桜を楽しむことができるかもしれません。

 「碓氷峠鉄道文化むら」のエントランスです。後方の桜が満開となっていました。
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 桜を背にして今にも走り出しそうな189系の「あさま」号です。
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 保存車両も桜に包まれていました。
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 満開の桜を背に、峠のシェルパだったEF63と特急「あさま」号が並んでいました。何度もお世話になった車両ですから、懐かしくないわけはありません。
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 「碓氷峠鉄道文化むら」のお宝のひとつが、このアプト式電気機関車ED42です。アプト式の特徴である、ラックレール(歯軌条)と噛み合わせるための歯車を間近に見ることができます。
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 現役時代のFD42です。軽井沢方に1両、横川方に3両のED42を連結し、峠を上り下りしていました。(1963年8月7日、横川~軽井沢の中間にあった熊ノ平駅にて撮影)
熊の平を発車する311列車(ED427).jpg
 車両以外にこんな鉄道遺産もあります。これは横川駅の跨線橋を支えていた鋳鉄製の柱ですが、明治40年に鉄道作業局新橋工場で製造されたものです。
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 碓氷峠と直接の関係はありませんが、かつてのローカル線の主役だったディーゼルカー、キハ20です。桜とよく似合います。
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 こちらは運転体験ができるEF63の乗り場付近です。右隣の線路は、園内を一周する2フィートゲージの「あぷとくん」用のものです。
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 「あぷとくん」は、アプト式最初の電気機関車10000形を模したディーゼル機関車で運転されています。実はSLも存在するのですが、現在故障中で、その修理費用を捻出するためクラウドファンディングが行われています。
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 5インチゲージのミニSLも運転されていて、子供たちに大人気です。
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 SLと桜もまたよく似合います。
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 碓氷峠を越えて、わが家にもどるとダンコウバイが満開でした。
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 アンズの蕾もここまで膨らんでいますから、開花はもう間もなくでしょう。
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 枯れ葉の中から顔を出したギョウジャニンニクです。昨年よりだいぶ株が増えたようです。
ギョウジャニンニク.JPG
 今年は季節の進み具合が早いようなので、3月下旬に家庭菜園を始動し、2日前にサニーレタスとリーフレタスを植えました。
レタスの植え付け.JPG