中山道でブラタヌキ~ポン太とポン子のずくなし道中記 その12

<13日目、8月15日> 千曲川を渡り望月宿へ
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 前回の到達点である佐久平の浅間総合病院前をスタート。相生の松の脇をぬけ、国道141を横断すると、水田の中の道となります。浅間山の上半分は雲の中でしたが、左右ともに広々とした開放感あふれる風景で気分爽快。
 根々井塚原という、いかにも旧街道沿いらしい雰囲気を留めた集落を通り、駒形神社を過ぎると、道は下り坂となり、千曲川のほとりの塩名田宿へと下りて行きます。「塩名田」バス停のあたりが宿場の中心で、問屋本陣の建物が残っていました。道路の反対側の公民館前に、大きな観光案内板が設置されており、その説明を読むと、かつては相当な規模の「花街」も存在していたそうです。その名残か、いまも川魚料理を食べさせる大きな料亭が営業しています。千曲川畔に至る本来の中山道沿いには、木造三階建ての建物が並び、実に風情があります。江戸時代には千曲川には橋がなく、舟を横に並べてつなぎ、橋がわりとしていました。その舟をつないだ、「舟つなぎ石」が今も残っていました。
 橋を渡った対岸が御馬寄(みまよせ)という集落。そこもまた古い家屋が残り、旧街道らしい雰囲気です。次の八幡宿との間は中山道で最も宿場間の距離が短いところ。八幡宿の入口付近に、その名の由来と思われる八幡神社があります。驚くほど立派な門があり、本殿の装飾もみごとなので、境内で一休みすることにしました。八幡宿は小さな宿場で、塩名田と比べると、宿場町の名残が濃厚とはいいがたいですが、本陣跡のまわりには、古い建物もいくつか残っており、それなりの風情があります。

旧中山道からみた佐久平駅周辺のビル群。浅間山は雲の中。
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旧街道らしい雰囲気の根々井塚原の集落を行く
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宿場町であったことを感じさせる塩名田の街並み

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木造3階建ての料亭の建物などが残る塩名田宿。この先が千曲川。
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千曲川の川原に残る「舟つなぎ石」。綱を結んだ穴が空いている。
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                        現在の千曲川の橋梁。対岸が御馬寄。

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八幡宿の八幡神社
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 国道142号に合流したあたりから雲行きが怪しくなり、間もなくパラパラと雨が降り出しました。お昼時ですが、営業中の飲食店はなく、そのまま歩き続けました。百沢東交差点から、旧道の細道に入りましたが、その道の両側には古い建物が並び、まさに旧街道そのもの。坂の途中に、祝言道祖神という双体道祖神が鎮座していました。
 布施温泉入口付近の旧道はわかりにくく、狭い草むした道が続き、道標がなければ不安になります。国道を横断したところから、瓜生坂への道が始まりました。瓜生坂の途中には一里塚もあります。峠を越えて望月宿へと降りていくところには、舗装道路とは別に、歩行者のみ通行できる旧道が残されており、中山道を歩いているという実感がわきます。坂の途中には、可愛らしい双体道祖神ほかたくさんの石仏、石像があり、長坂石仏群とよばれているそうです。
 鹿曲川の橋を渡り、望月宿に入りました。望月は大きな町ですが、現在のメインルートである国道142号からはずれているため、古い街並みが残っていて、映画のロケにふさわしいようなところですが、ひときわ目立つ、木造3階建ての井出野屋旅館は、かつて「犬上家の一族」のロケに使われたそうです。その前の御宿山城屋も古くて味のある建物でした。
 遅い昼食をとった食堂の大女将から面白い話を聞きました。倉賀野の造り酒屋のお嬢さんだったというお姑さんの話です。お爺さん(舅)が芸者遊びに夢中になり、塩名田の花街へ入り浸って困った由。いましがた通ってきた塩名田で、花街の存在を知ったばかりでしたので、その話が妙に現実味を帯び、身近に感じられました。お姑さんは賢い人で、直接注意することなく人を動かしたという数々のエピソードの持ち主とのこと。例えば、舅が芸者遊びをしている当日、同じ料亭で派手な宴席を設けて大盤振る舞いをした後、「お代はむこうに景気のいいお大尽(舅)がいらっしゃるので、あの方が払います」と言い残して去ったということです。それ以降、芸者遊びがピタリとやんだとか。
 今日は望月町の奇祭、「榊祭り」の日。主役である「榊神輿」が、町を練り歩く様子も見ることができました。
 今日の街道歩きは、眺めも雰囲気もそして話も面白く、充実した一日でした。中山道歩きもいよいよ佳境に入ってきたようです。

布施温泉入口付近の趣のある旧道
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祝言道祖神。信州の街道沿いに多い双体道祖神は、どれをみても表情が豊かで癒されます。
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瓜生坂へと通じる旧道は草むしていてわかりにくく、道標が頼り。
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瓜生坂を下り望月へ
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眼下にひろがる望月の町
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望月の古い街並みを行く
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「犬神家の一族」のロケに使われたという井出野屋旅館
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「榊祭り」の準備をする子供たち
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※「中山道でブラタヌキ」は、冒頭(その1)に記した通り、一昨年に達成した中山道踏破の回想記です。実際に歩いた季節に合わせてブログにアップしております。リアルタイムで進行しているものではありませんのでご承知ください。

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