行く秋を惜しむ -上田城と海野宿-

 わが家のまわりの木々はすっかり葉を落とし、冬枯れの風景となりました。あとは冬将軍の訪れを待つだけというわけですが、まだそこまで気持ちを切り換える準備ができたとはいえません。未練がましいといえばそれまでですが、いましばらく信州の「秋」を感じていたいというのが本音です。
 まだ残っていそうな「秋」を求めて、わが家より400mほど標高の低い上田城まで出かけてみました。そこには「秋」が残っていたどころか、なんと本丸の紅葉は真っ盛り。「真田の赤備え」よろしく、真っ赤に燃え上がる木々の迫力はたいしたものです。城壁や櫓の周囲も赤や黄色に色づいており、秋の名城の風情をたっぷり味わうことができました。
 帰路、海野宿に立ち寄ってみました。昨年の台風で千曲川が氾濫し、国道18号から海野宿にいたるメインルートの橋梁が落下。いまだ復旧されていないという気の毒な状態が続いています。幸いなことに宿場町本体にはまったく被害はなく、時代劇のセットのような美しい街並みがそのまま維持されていて安堵しました。宿場内にも紅葉した木々がたくさんあり、今までに何度か訪れた中で、一番といってもよい雰囲気と景観でした。
 お城や宿場町といった古い建造物と紅葉の取り合わせは、なぜかくも人の情感をくすぐるのか。先人の営みを想起させるそのような場所に立つと、「栄枯はめぐる世の姿」といった思いが自然に湧いてきます。そこへ、散り際に渾身の力を振り絞って最高の美を表現しているような紅葉が加わることで、そうした思いが増幅され、感情を高ぶらせる。そんなところがあるのではないかと思ったりします。
 信州最後の「秋」を堪能し、もういつでも来い冬将軍、といった気分になったポン太でした。


 これぞ秋といった空気感に包まれた上田城です。
上田城の秋.JPG
 西櫓を彩るモミジと真っ青な空。徳川の大軍を二度も撃退した天下の名城らしい、凛とした雰囲気を感じます。
西櫓と空とモミジと.JPG
 人気のある観光スポットだけに、それなりの数の人が訪れていましたが、「密」になるような場面はまったくなく、安心して散策することができました。
南櫓.JPG
 本丸の中に入ると、燃えるようなこのモミジ。
本丸のモミジ.JPG
 モミジの葉のあまりの鮮やかさに圧倒されました。
いろあざやかなモミジ葉.JPG
 櫓門外側のお堀のまわりは、すっかり晩秋といった感じでした。葉を落としている木々の大半は桜ですから、花の季節にはみごとな景観となるはず。
晩秋の風情.JPG
 城内のそこかしこに、まだ紅葉した木々がのこっていました。
いりとりどりの城内.JPG
 こちらは、真田を象徴する赤い大兜。「真田の赤備え」は史実とは異なるという指摘もありますが、実戦を経ている上田城には、人を奮い立たせるような赤が良く似合います。
真田の赤、東虎口櫓門.JPG
 上田城には天守閣はありませんが、この南櫓と北櫓には、名城の風格を感じます。
崇高な感じの上田城.JPG
 さて、こちらは上田市のお隣、東御市の海野宿です。一歩足を踏み入れただけで、タイムスリップしたような気分になります。
風情ある海野宿.JPG
 北国街道の宿場町であった海野宿。東信地方でこれだけの規模の宿場町が残っているのはここだけです。
伝建保存地区.JPG
 どの季節に訪れても、この街並みのすばらしさに魅了されますが、紅葉の時季は絵になりすぎるといっても過言ではないでしょう。
紅葉の海野宿.JPG
 保存地区といっても、観光客相手の商売をしている家は少なく、普通の暮らしが営まれています。こちらの家の前には、丹精を込めた菊が飾られていました。
聞くが飾られた古民家.JPG
 うだつが上がった風景。澄み渡った青空によく映えます。
卯建の上がった街並み.JPG
 おっと、これはコロナ退散を願ったアマビエ。サンドアートだそうです。
サンドアートのアマビエ.JPG
 まだ復旧していない、国道18号から海野宿へ通じる道と橋です。手前の広いところには観光客用の第1駐車場がありましたが、そこも昨秋の台風で被災し、復旧工事中です。
落ちた橋.JPG
 いつまでも眺めていたい運野宿の秋です。
これぞ宿場の開き.JPG

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