楽しい山座同定(さんざどうてい)ー平尾山ー

 山国の信州では、山の見えない場所はありません。ちょっとした高台に登れば、おびただしい数の山が目に入ってきます。重畳たる山並みの美しさに見とれてしまうことが多いのですが、「あの尖っているところは○○岳」「台形に見えるのは○○山」と、具体的な山の名前がわかると、より一層、山岳展望の楽しみは増すように思います。
展望地点から見える山の名前を、地形図や方位磁針を使って明らかにすることを山座同定といいます。実際に、山頂で広範囲の地図を広げてそれを行うのは難しいのですが、名前のわかる特徴的な山をまず見つけて、その山との位置関係から他の山の名を推定するといったスタイルの山座同定なら、どこでもできますので、ポン太はいつもそのようにして楽しんでいます。家に帰ってから、撮影した写真と地図を照合し、その推定が正しかったかどうかを検証するというのも楽しい作業です。
 ポン太がよく登っている平尾山の山頂からどれだけの山が見えるのか、山座同定をしてみました。その結果、日本百名山だけでも、金峰山、八ヶ岳(赤岳)、蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原山、穂高岳、槍ヶ岳、常念岳、立山、剱岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬岳、浅間山、日光白根山の15座を確認することができました。そのほか、日本二百名山に数えられる山や、地域でよく知られている山など、数多くの山の名前を確認することができましたが、まだまだ山名が不明な山はたくさんあり、山座同定の楽しみはエンドレスといってよいでしょう。
 平尾山山頂から撮影した写真に、確認できた主要な山の名前を記入してみました。平尾山あるいはその周辺から山を眺める際の参考にしていただければ幸いです。なお、誤認している場合があるかもしれませんので、その場合はぜひコメント欄でご指摘ください。

 さて、平尾山の山頂に着いて、まず目に飛び込んでくるのが、この八ヶ岳・蓼科連峰の景観です。方位でいうと、南南西から南西の方角になります。
蓼科八ヶ岳連峰(南南西~南西).jpg
 蓼科より西方、南西の方角には、霧ヶ峰から美ケ原山に連なる山並みが見えます。この山並みを貫いている山岳道路が「ビーナスライン」です。
霧ヶ峰(南西).jpg
 さらに西方に見えるのが美ケ原山です。最高地点の王ヶ頭には、放送用アンテナが林立しています。肉眼ではちょっと厳しいですが、双眼鏡があれば、確認することは可能です。
美ヶ原山(西南西).jpg
 美ヶ原山の右側の肩あたりから、北アルプスが顔を出します。穂高岳や槍ヶ岳といった雄峰を目にすると、一気に気分が高揚します。その方角はほぼ西です。
穂高・槍(西).jpg
 西北西の方角には北アルプスが白い屏風を立てたように連なっています。一番目につきやすいのは双耳峰の鹿島槍ヶ岳です。目を凝らすと、立山や剱岳も確認することができます。
立山・鹿島槍(西北西).jpg
 北西の方角には鹿島槍ヶ岳から白馬岳に連なる、北アルプス北部の山々を見ることができます。
鹿島槍~白馬(北西).jpg
 北北西には、浅間連峰の山々が位置していますが、平尾山の尾根と重なってしまい、この程度しか見えません。
浅間連峰(北北西).jpg
 平尾山の北側にはわれらが浅間山が鎮座しています。黒斑山より西側の浅間連峰の山々は、平尾山の尾根が邪魔して見ることができません。
浅間山(北).jpg
 浅間山の東側、北東の方角には、鼻曲山や浅間隠山など、軽井沢エリアの山々が連なっています。
鼻曲山ほか(東北).jpg
 東北東の方角には、別荘地として開発されている森泉山があり、その後方に見えるのが榛名山です。榛名山の左側に、雪山が見えますが、関東地方の最高峰、日光白根山ではないでしょうか。さらに、うっすらと見えている、※1、※2の山ですが、前者は皇海山、後者は赤城山ではないかと推測しています。もしそうだとすれば、平尾山からから見える日本百名山は17座となります。
白根・榛名(東北東).jpg
 平尾山の東側は尾根が続いているため展望は良くないのですが、尾根の少し南側には、荒船山とその周辺の山が顔を出しています。
荒船山(東南東)のコピー.jpg
 さらに南側、南南東から南の方角には、上信国境から奥秩父方面に至る重畳たる山並みを望むことができます。以前のブログで、瑞籬山を見ることできると記しましたが、それは男山を誤認したものでしたので、訂正いたします。
金峰山(南南東~南).jpg
 平尾山からの山岳展望を時計回りにご紹介してきました。その最後がこの景観です。右側から裾野をひいているのは八ヶ岳ですから、この右手に続くのが、最初にご紹介した八ヶ岳・蓼科連峰の景観ということになります。
飯盛山(南南西).jpg
 ポン太の山座同定、いかがでしたか。平尾山は、標高わずか1155mの里山ですが、これだけの山々を望むことができるのです。