鉄道ゆかりの桜めぐり

 それこそいたるところに桜が咲いているという状態になりました。木々の芽吹きも始まり、朝夕はまだ寒さが残るものの、快適な季節になったことは間違いありません。
 さて、盛りをむかえている浅間山麓の桜の中には、鉄道と関わりの深い桜もあります。そのいくつかを巡ってみましたのでご紹介しましょう。
 まず最初は小海線三岡駅の桜です。小海線で桜といえばこの駅が一番だと思うのですが、その桜にはこの駅の開設事情がからんでいるのです。小海線の前身である佐久鉄道開業時には三岡駅はありませんでした。そこで、地元の人々が駅の開設を強く望み、寄付金を募って、1925(大正14)年4月14日、開業に至ったのです。しかし、資金提供を渋った村もあったということで、そちら側からの駅へのアクセスを悪くするために土手を築き、それが崩れないように桜を植えたといわれています。由来はともかく、大きく育った桜が、乗客の目を楽しませているのですから、今となっては結果オーライの桜と言うことができるでしょう。

 桜満開の三岡駅を出る小海線上り列車です。
小海線三岡駅にて②.JPG
 のどかな雰囲気で癒されます。
小海線三岡駅にて①.JPG

 次は、布引電気鉄道由来の桜です。小諸と島川原を結ぶ布引電気鉄道が開業したのは1926(大正15)年12月1日。それから僅か8年で破綻し廃止されてしまった薄命の鉄道でした。開業を祝って沿線に桜を植えたそうですが、それが今は「桜花のトンネル 眺望百選」といわれるほどの見事な桜並木となっています。
 この桜並木の道路が電車の廃線跡だと知る人は少ないのではないでしょうか。
DSCF8979.JPG
 上方から見た布引電気鉄道跡の桜並木です。
DSCF8961.JPG
 こちらは布引側をみたところです。桜並木の先で千曲川を渡り、布引観音の下を通って島川原へというのが、布引電気鉄道のルートでした。
DSCF8967.JPG
 布引電気鉄道の布引駅跡には、下り線ホームが残っており、桜の季節になると、沿線随一の観光地の駅であった往時が偲ばれます。
DSCF8948.JPG
 このホームに降りた乗客は、左手の参道入口から、布引観音へとむかったわけです。この桜の後方に駅舎があったようです。
DSCF8944.JPG
 布引観音は、20分ほど参道(かなりの山道です)を登った先にありますが、そこの桜も見事です。
布引観音の桜.JPG
 こちらは、小諸駅から少し滋野駅方面に進んだ箇所にある、信越本線旧線跡脇の桜です。「旧線跡のトンネル」が見えますが、実はこれはトンネルではなく橋梁で、竣工プレートには、「新町拱橋、竣工昭和43年1月」とあります。この付近を高架複線化する際に、旧線の上を斜めに跨ぐ形で新線を建設したことから、このような形状になったものと思われます。
DSCF8998.JPG
 反対側(滋野側)はこうなっています。これを見れば、トンネルではなく橋梁(拱橋=アーチ橋)であることがよくわかります。
DSCF9004.JPG
 その先に続く旧線跡の脇にも桜が咲いていました。
DSCF9003.JPG